因島自由大学

第12回「日本は瀬戸内から始まった」早坂暁先生

2007年5月26日 芸予文化情報センター

早坂暁

 因島で創立されて12年になる因島自由大学(大出俊幸学長)が5月26日、芸予文化情報センターで、第12回講座を開き、全国から200人をこす聴講生が出席した。

 講師は日本を代表する脚本家の早坂暁氏。テーマは「日本は瀬戸内から始まった」。同氏は現在、尾道大学の客員教授でもあり、瀬戸内文化論を担当。もともと愛媛県北条市(現在、松山市に合併)出身。予定の2時間を大幅に越える熱のこもった講義となった。

 講義はまず、ヨーロッパの地中海・エーゲ海と瀬戸内海の比較論。そして因島は瀬戸内海の中核中の中核であり、この島から日本は始まったといきなり本論に入った。

 日本最古の歴史本と言われる「古事記」をよりどころに論を展開した。神は最初に淡路島を生んだ。そこに黒潮にのって北上してきたポリネシアの海人が住み着いた。2番目が四国。九州、壱岐・対馬、佐渡、大和・近畿地方の順番で日本列島が形成されていったと話を進めた。

 早坂氏は、遍路道の商家で生まれ育ち、幼少からお遍路さんに接してきた経験を持つ。さらに成長して海軍兵学校に進んだ。そして敗戦をその予科生として山口県防府市で迎え、郷里の愛媛へ帰る途中、広島を通過した。

 著書「へんろ曼荼羅(まんだら)」のなかで早坂氏は、廃墟と化した広島駅周辺で無数の青い燐火が燃えるのを見たと書いている。そしてそのひとつが被曝死した妹の春子のものだったとも語っている。

 早坂氏は講義の最後を現代の瀬戸内海論で結びたかったようだが、おしくも時間切れとなった。

(この記事はせとうちタイムズ2007年06月02日号より転載させていただきました。)